会期:2019年8月9日~8月18日
会場:JR九州ホール(JR博多シティ 9F)
バトルステージの上演は一日5回。
バトルステージの上演は一日5回。
※自分用備忘録。ざっくりの感想。セリフはうろ覚え。
宇宙人と怪獣の名前がわからなくて宇宙人・怪獣で表記しています。
回によって演技やアクションが変わっていましたが、自分が印象にのこったところを書き留めています。
※ステージ上=板張りの舞台上のこと。ステージ下=舞台の下から客席の前までの床のこと。カーペットが敷いてあって、目前まで来てド迫力アクションをしてくれました。
【バトルステージの覚書と感想】
「新時代、最強の遺伝子をうけつぐ新たな戦士の戦いがはじまる――」
ナレーションとともに、右手の大きなテントをスクリーンにして昭和、平成、令和の墨書が映し出される。
正面スクリーンにはその時代時代の戦士が映し出されて、演出のワクワク感がすごい。
真っ暗闇の中、怪獣が二体降りてきて会場襲い。
正面スクリーンにヒロユキ→タイガの変身バンクが映し出され、タイガが登場。
OPとタイミングばっちりのキレキレ戦闘に目を奪われる。怪獣の背中を土台にしての側転が鮮やか。
怪獣を撃退し、
「余裕だぜ。見てたか? 俺のスーパーかっこいい戦い!」
腕を叩いてドヤ顔するタイガ。
『スーパーかっこいい戦い』の語彙力が中学生っぽくて毎回和む。
そこにタロウが飛び蹴りで登場。滞空時間が長くて打点が高くて、形が美しくてまさに芸術品の蹴り。
「タイガ、油断するなよ」と組手を始める親子。
双方手数が多くて、本気で倒す気が見え隠れするような戦い。
容赦なくブチ当てにいくタロウの迫力がすごかった。
タロウに腕を掴まれて喉首にガツッと当てられ、苦しそうに喉元を抑えるタイガのしぐさが細かい。
スクリーンに大都会を飛行する映像が映し出され、それを背景に戦うタロウとタイガ。
空中に飛び立つタロウの姿勢が美しくて、毎回貴公子だな~と見惚れてた。
大都会が右に左に傾き、親子もそれにあわせて身体を向けて、まるで本当に空中飛行しているみたいなアクションがすごすぎだった。
ふたりの側転のシンクロ率すごすぎる。
「また負けたー。組手じゃ父さんにかなわないや」
タイガが負けを認めたところで、
「タイガ、いい線をいっていたぞ」
右手からウルトラの父と母がそろって登場。
「じいちゃん! ばあちゃんまで!」
タイガのこの一言で、会場に微笑ましい笑いがどっと起き、空間が祖父母の家になる。
「警備隊候補生としての生活はどうですか?」
尋ねる母に、
「自分で言うのもなんですが、良い働きができていると思います」
げんきいっぱいに自画自賛しちゃうタイガ。
タロウ「おごりは禁物だといっただろう」
母「うふふ、若いころのタロウにそっくりじゃない」
タロウ「母さん、ちょっと……」
きまり悪そうにするタロウかわいい。
父「タイガよ。ウルトラ戦士に必要なものは強さとやさしさだけではない。それ相応の覚悟が必要だ。
宇宙の平和のために、何かを犠牲にする日がくるかもしれない。その覚悟がお前にあるか?」
タイガ「はい。命に代えても宇宙の平和を守り抜きます」
父の重々しい問いに、無邪気に答えるタイガ。
このタイガの返答が、このあとの伏線になるとは思わなかった。
帰っていく父と母を一礼して見送るタロウ。
その後ろにそっと近づき、
「隙あり!」
と襲い掛かるタイガ。
「甘いな。不意打ちなんて古い戦法に頼るようじゃ、まだまだだ」
タイガの腕をつかみ上げ、ぐいーっと引っ張り上げるタロウ。
長身のタロウに太刀打ちできない、少し背が低いタイガの図が毎回かわいい。
親子がはけ、暗転してウルトラプリズン。
ウルトラプリズンの設定、かしいかえんのルーブSPショーで見てから大好きだったから、また見られると思わなくて初めて見たとき爆笑してしまった。
マグマ星人・ケットル星人、力持ちのごつごつ宇宙人が収監されている模様。
下手から出てくるマグマ星人、ケットル星人宇が毎回プリズンコントしていて、バリエーション豊かで面白かった。
・腕立て伏せしてジードレットを使いなさい!するケットル宇宙人をマグマ星人が突き飛ばす回
・けんかして取っ組み合いしながら客席の目の前にきたマグマ星人たちが「イエス! フォーリンラブ!」する回
が特に好き。
「みじめだな。敗北者たちの姿というものは」
真っ暗闇のなかに現れるトレギア。
ステージ中央に浮き出るように現れて、階段で優雅に脚を組むのが妖艶だった。
「やあ諸君。ごきげんよう。私の名前はウルトラマントレギア」
芝居がかって挨拶するトレギア。
宇宙人たち「ウルトラマンにしてはまがまがしいオーラを放っているな」
トレギア「それはそうさ。君たちと同じく私の本質は闇だからね」
トレギアが牢獄にやってきた目的は、封印されている生物兵器を解き放つことだった。
宇宙全体を消滅させかねない生物兵器だ、やめろ、と止めようとする囚人たち。
トレギア「かまわないよ。私は時空を移動することができるからね」
平然というトレギアのなんと冷酷なこと。
掴みかかる宇宙人たちに
トレギア「わるいが私は手加減の仕方をしらないよ」
と襲い掛かるトレギア。
トレギアの足技の数々が鮮やかで壮絶で、もう目で追うのがやっとだった。
脚を高く跳ね上げて、宇宙人の顔面にありえない打点の高さで蹴り打ち込むのを見て、ああ、トレギアには絶対勝てないと圧倒的な恐怖に打ちのめされる。
マグマ星人とケットル星人に連続で蹴りを入れるのが(三角飛び蹴り?)ものすごいかっこいい。
マグマ星人に強烈な回し蹴りを叩きこんで、一糸の乱れもなく妖艶な座り方で着地をするのがすごすぎる。
セクシートレギアポーズのまま宇宙人に足ひっかけて転ばしてるときもあって、意地悪な戦い方がまさにトレギア。
ケットル星人の首根っこをつかんで身体を切り裂き、手についた血を払うしぐさのすさまじさ。
3人をステージの上に追いやって、まとめて切り裂くトレギア。
切り裂いた後、ぐっと腰を落として低い姿勢するのがなんともかっこよかった。
「弱者どもめ」
鼻で笑うトレギアのもとに、
「そこまでだトレギア」
下手からマント姿のタロウがやってくる。
タロウは、トレギアでは生物兵器の封印が解けないという。
それは、膨大な量の光のエネルギーを扉に与えないと開閉できない仕組みになっているからだった。
試すように扉を触ってみせ、発生した火花をわざとタロウの方に払いのけるトレギア。マントを翻して火花を避けるタロウ。
この場面のヒリヒリした感じと、タロウのマントの美しさがすごい好きだった。
会期中終盤から、トレギアが扉に触れると激しい火花の音とともにスモークが噴き出す演出に変わってた。
音にビビり倒すし煙に肝がつぶれるし、スモーク越しに現れるトレギアが美しかった。
「私がノープランで乗り込むとでも?」
指パッチンして洗脳した囚人たちを召喚するトレギア。
マントを脱ぎすて、マグマ星人の顔に当てて目くらましをするタロウ。カッコイイ。
回し蹴りが重い。
応戦するタロウを尻目に、意味ありげに客席をちらりと見て去っていくトレギア。
会期中終盤から、宇宙人と応戦するタロウの後ろにトレギアが現れ、不意打ちでタロウを切り裂くアクションに変わってた。
トレギアの悪辣さがさらに増してた。
タロウを切り裂いた後に、手についた血を口元で舐めとるような拭うような仕草が凄艶だった。
オレンジ色の照明が明滅して、警告音が鳴り響く会場。
「こちら宇宙警備隊隊長ゾフィー。宇宙監獄に幽閉されていた宇宙人たちが数名脱獄した。
ただちに捕獲活動を開始せよ」
ゾフィー隊長の指令ボイス尊い。
真っ暗の中、会場の左側をこっそり歩く脱獄囚。パッと照明がつき、右側からタイガがダッシュでやってくる。
ステージま上で追い込むも、力自慢の宇宙人に圧されるタイガ。
「こっちも力自慢を呼ぶしかねえな!」
ヒロユキ→タイタスの変身バンクが映し出され、白いスクリーンがスッと移動してきて、そしてタイタスに早変わり。
「賢者の拳受けてみよ」
タイタスのセリフと共に、大スクリーンにでかでかと映し出される『賢者』の単語。爆笑するしかない。
タイタスの演出が日を追って豪華になっていってるなーとは思ってたんだけど、『賢者』の大書が写されたときもう好き…となった。
ステージからドシン! と力強く飛び降り、拳を地面に叩きこむタイタス。迫力がものすごい。音もデカい。
ノシノシと歩くだけで圧倒される。
宇宙人を上手端のテントまで追い込んで、宇宙人をつかんだままズガンと岩にブチ当てるタイタス(テントに岩の映像が映し出されてる)
破壊される岩。さらにプラニウムバスターを打ち込み、宇宙人を粉砕するタイタス。
早変わりし、タイガにチェンジ。
「サンキュータイタス!」
かわいい。
しかし、力自慢の宇宙人はまだ生きていた。タイガに襲い掛かろうとしたところで、
エメリウムスラッシュのまばゆい光線が宇宙人を射貫く。
真っ暗のなか、下手からセブンとゼロが登場。パッと照明がつき、ステージに仁王立ちするセブンと、岩に片足を乗せてキメてるゼロの姿が浮かび上がる。
ただでさえ登場がかっこいいのに、親子そろってマント姿でかっこいいの極限を超えていた。
セブンが両袖で顔を隠して、バッとおろして顔あらわにするのが無性に好きだった。
『ZEROの掟』をBGMに戦う親子。
まとったボロ布のマントを外し、ぶんぶんと回しながら宇宙人を攪乱するゼロ。上手側で決めポーズ。卑怯なくらいかっこいい。
セブンはマントを即座に脱ぎ捨てるんだけど、マントを脱ぎすてる仕草があまりにも男らしい。
脱ぎ捨てたあと、宇宙人に手クイして挑発する仕草が大好き。
ステージに逃げた宇宙人に重いパンチと蹴りを放つセブン。
ステージに駆け上がったゼロは、ボロ布を投げすててセブンと共闘。
正拳突きするセブンと、床に手をついて蹴り技を叩きこむゼロ。
親子の息の合った戦闘かっこよかった。
セブンとゼロがどうしてここに? と尋ねるタイガに、
「宇宙監獄のパトロールに赴いたタロウと通信が取れなくなった」
脱獄囚は自分たちに任せ、監獄へ向かえというセブンとゼロ。
ここの場面、「脱獄宇宙人」といったゼロのすぐあとにセブンが「脱獄囚」と言ってて、親子の語彙力の差にちょっと和んだ。
2人にお辞儀をして出発するタイガを見送り、「礼儀正しい子だ。誰かと違って」しみじみと言うセブン。
「え? 誰の事?」
親の心子知らずのゼロ。
暗転。ウルトラプリズンへ場面変更。
真っ暗の中トレギアが上手からやってきて、照明が付くと同時に目の照明をつけて振り返る。
照明を付けるときの、もったいぶって優雅な仕草が薄暗闇に透けてみえるのが美しかった。
ステージからゆっくりと降り、上手側に歩んでタイガを待ち受けるトレギア。
「来たな」
下手からタイガ登場。
「お前は……トレギア!」
「これでようやくパーティーが始められるよ」
「父さんはどこだ!」
上手側からマグマ星人・ケットル宇宙人に連行されるタロウ。
タロウは鎖で拘束されており、大スクリーンにはタロウを縛り付ける大きな鎖が映し出される。
トレギア「君が私の要望に応えたら開放してあげるよ。この牢屋を君の光のエネルギーであけてほしい」
牢屋の中にはバルタン族が科学技術の粋を集めて作った生物兵器が封じ込められている。
タイガの光エネルギーを利用しようというトレギア。
父親の命と生物兵器の開放を天秤にかけられて、うろたえるタイガ。
タイガの迷いを見て取って、扉を開けてはだめだと諭し始めるタロウ。
タロウ「答えろタイガ。我々が最優先すべきものはなんだ」
タイガ「……宇宙の、平和」
タロウ「そうだ。迷わなくていい。私がいなくなってもお前がいる。お前が私の生きた証だ」
『お前が私の生きた証だ』
このセリフ聞くたびに胸が震える。初めて見たとき胸が熱くなって泣いてしまった。
タロウの愛情と想いの重さが伝わるセリフ。
説得されて思い直しかけるタイガ。
そこにトレギアが畳みかける
トレギア「強がるな。私にはわかる。お前にはまだ戦士の覚悟なんてない。
おい、タロウにとどめをさしてやれ」
命じられ、洗脳された脱獄囚たちが襲い掛かる。
「やめろ!」
とっさに飛び出し、タロウをかばうタイガ。
さらにタイガの心を揺さぶるトレギア。
トレギア「どうする坊や。父親を見捨てるか、扉をあけるか」
トレギアがステージ上に近づき、片足をステージに乗せて語り掛けるときの足の長さが500キロメートルくらいある。
タイガを煽った後、ステージ中央でご機嫌にタイガを眺めてるトレギア。
タイガを煽ったあと、さらに親子をあざ笑うようにステージに優雅に腰かけて足組んでる回があって、その時のトレギアもめっちゃ好きだった。
ふらふらと扉の前に行き、悩むタイガを見て「やめるんだ」と制止するタロウ。
「隙あり!」
迷っているふりをしつつ、ちらりとタロウの拘束具を確認して、光線技で拘束を解くタイガ。
「扉も開けないし、父さんも助ける。これが俺の答えだ!」
「ほらね、不意打ちも捨てたものじゃないでしょう」
得意げなタイガがタロウの拘束を解く。
冒頭の不意打ちのやり取りが、ここで生きてくるとは思わなかった。
タイガの機転が利くところや、まだ未熟だけどウルトラ戦士らしい瞬発力、賢さが如実に出ていて好きな場面。
「ふざけたことを!」
激昂したトレギアが光線を放つ。
このときのトレギアが両腕をすらりと開いて床にゆびさきが付くぐらい身を屈し、そして美しい腰のひねりで光線撃つ姿が本当に邪悪でかっこよかった。
トレギアの光線からタイガを庇うタロウ。
「父さん!」と悲鳴を上げて、タイガはよろめくタロウに近寄ろうとする。
「来るな、敵から目をすんじゃない」
「教えたはずだ、戦士は常に何かを失う覚悟で、戦場に立っていなければならない」
目に見えて取り乱すタイガを叱咤するタロウ。
力を失ったタロウはタイガにそっと近寄り、
「大丈夫だ、大丈夫。私はいつでもお前の傍にいる」
優しく語りかけ、タイガのホーンや頭を撫でて、光になって消えてしまう。
タイガの背中に顔を隠して目の照明を消してて、目の光が消えた瞬間がとてもドラマチックで絶望感がすごい。
親子の切ない別れの場面で、ステージ下でトレギアオンステージが繰り広げられてて面白かった。
お客さんの目と鼻の先を優雅に闊歩し、ちびっこを品定めして、ロックオンしたお子さんの前にしゃがみこんで頭撫でたりほっぺた触ったりするトレギア。
「プログラム通りに進まないパーティーだな」
飽き飽きしたように言って、タイガを宇宙人にまかせて悠々と退場するトレギア。
半狂乱になったタイガと宇宙人の戦闘は胸が痛くなるほどだった。
冷静さを失い、パンチが大振りになってうまく当たらない。
マグマ星人に後ろから捕らえられて、そのままぐっと体を持ち上げて両足でケットル星人を蹴るアクションがすごかった。
蹴りの高さが半端ない大技だった。
肩で息をしながら、宇宙人達を追って退場するタイガ。
★会場に照明がつき、お姉さんのお話パート★
タイガ、ゼロ、セブンが登場。
お前の親父ならきっと大丈夫だ、ウルトラの母のところで治療を受けているよ、とタイガを励ます親子。
トレギアが登場。
「なんだ、つまらない。タロウはまだ息があるのか」
トレギアの冷酷なセリフに、肩をぶるぶると震わして激昂するタイガ。
「トレギア。俺の中に猛る怒りの炎で、お前の野望を焼き尽くす!」
このセリフ激熱で大好き。何度聞いてもしびれる。
「いくぞ!」タイガの一声で戦闘スタート。
トレギアは怪獣と宇宙人を放って、手をヒラヒラさせてばいばいしながらご機嫌ではけていく。
まずはセブンとゼロの戦い。
ゼロ「俺たち親子とやりあおうなんざ――」
セブン「二万年早いな」
スラッガーを抜いて構える親子。
まさかスラッガー戦闘が見られると思わなくて興奮した。
セブンが「二万年早いな」で裏ピースをするのがものっっっすごくかっこよくて大好き。めまいがするほどのかっこよさ。
縦横無尽に駆けてスラッガーで宇宙人を切り裂く親子を目で追うのがやっと。
親子が高くジャンプして敵を斬りあげる攻撃かっこよかった。
重くて殺傷力が高い感じのセブンの戦い方と、俊敏で軽やかでなんか楽しそうで、でも確実に切り裂くゼロの戦い方。
ステージに宇宙人たちを追い込み、両側から切り裂く親子。
大画面に切り裂かれてるエフェクトが映し出されてて、かっこよさマシマシだった。
宇宙人を倒して見栄を切るときに、スラッガーをガツッと擦り合わせるゼロと、アイスラッガー持ってる右手首を拳で叩いてるセブンがめちゃくちゃかっこよかった。
かっこいいしか言えない。
怪獣を追ってタイタスが登場。
「タイガは体力を温存しろ。こいつは私が相手をする」
タイガスパークに語り掛けるというよりも、たくましい自分の上腕筋に話しかけてるみたいなタイタス。
重い体当たりの数々。突き刺さる拳。躍動する巨躯。ド迫力。
怪獣の角をつかんだまま、飛び上がって地面に怪獣の頭を叩きつけるアクションが半端ない。
上腕二頭筋バリアー、僧帽筋バリアー、大胸筋バリアーの連続にキレてる! キレてるよ!! と必死でペンライト振っちゃう。
会場に声援と笑いが起きて、博多の筋肉アーティスト賢者大好きだ。
タイタスがたくましい胸をドンドンと叩いて怪獣を挑発する仕草ほんと好き。
ステージの階段に片足を下し、回によってバリエーション豊かなポージングを見せてくれる賢者。そしてパンチで怪獣を粉砕する。
その背中の逞しさ。背中に鬼が宿ってた。
ゆっくりと振り返る賢者の威容。最後はジードレットを使いなさい! をキメてくれてはけるタイタス。
トレギアとタイガの一騎打ち。
右手のドアからはトレギアが、左手のドアからタイガが登場。
エリア指定シートと一般観覧エリアの間の通路で向き合う両者。
タイガは憤怒を抑えられないように肩で大きく息をして、咆哮するみたいに身体を反らす。
後ろで腕を組んだトレギアが悠々と歩き、お客さんにひらひらと手を振る所作が好き。
指先でくるくると弧を描くみたいにして胸に手を当て、優雅に一礼する所作の美しさ。
慇懃無礼がすぎて、タイガをこけにしてる感じが伝わってきて、本当にトレギアは性格が悪い。でも本当に美しい。
小首を傾げながら指クイして挑発する仕草たまらん。
大振りなタイガのパンチを軽々と避けるトレギア。
ものすごい高さに飛び上がってタイガを蹴り上げるトレギア。
そしてまた信じられない高さでタイガに飛び膝蹴りを叩きこむ。
トレギアの足技が華麗で、悪魔的な美しさと強さだった。
ざまあないな、とでもいうみたいにタイガを指さしてステージ下に疾走するトレギア。
タイガも駆ける。ステージ下で向き合うやいなや、ものすごい旋風脚をおみまいするタイガ。足技の応酬がすごい。
ステージ上に駆け上がり死闘を繰り広げる二人。タイガの連続パンチが小気味いい。
タイガをあざ笑うみたいに両手を広げたトレギアに、タイガがドロップキックをぶちかます。
高さと鋭さが半端ないドロップキック。
もんどりうって倒れるトレギア。そこから腹筋の力だけでばねみたいに跳ね起きるから!!!??となった。トレギアの腹筋強すぎ。
タイガも気力を振り絞ってよろよろとステージ下に降り、トレギアにストリウムブラスターを打ち込む。
爆散するときのトレギアは、指先でくるくると弧を描いて去って行って、どこか不穏な雰囲気。
セブンゼロ親子、タイガが再登場。
セブン「何か腑に落ちない。トレギアの計画にしては爪が甘すぎる」
左袖からにゅーっと手をだすトレギア。
にゅーっと手を出しながら登場する演技がいやらしくて好きだった。
トレギアの目的は、タイガを逆上させることだった。
怒りに任せてフルパワーで光線を放つように仕向け、光エネルギーをこの場に貯めこんだのだと。
光エネルギ―の玉を両手で持ち上げるトレギア。そして右手テントに投げつける。
爆音がしてスモークが噴き出し、テントから出現したのはバルタン族の生物兵器。
巨大なふわふわがテントから登場すると思わなくて仰天した。
身構える戦士たちを眺め、テントに寄りかかって高笑いするトレギアが冷酷と妖美の化身だった。
「何もかも消し去るがいい」とあざ笑い、はけていくトレギア。
応戦するセブンとゼロ。しかし生物兵器の猛攻に弾き飛ばされる親子。
親子のやられのアクションがすさまじくて、床にワンバウンドしてごろごろ転がるからもう胸が苦しくて仕方なかった。
ステージ半分くらいあるような大きさの生物兵器が縦横無尽に駆け回り、迫力と恐ろしさがすごい。
タイガは、自分のおこないが招いてしまった結果に打ちのめされ、立ち尽くしたまま動けない。
「父さんが命がけでつないでくれたのに、俺は怒りに任せて敵の思惑通りに動いてしまった……」
「ここは戦場だ。なんの覚悟も出来てないガキが来るところじゃねえ。戦う気がねえならどっかいってろ」
タイガに掴みかかり、突き飛ばすゼロ。
タイガをしかり飛ばし、ゼロはまた生物兵器に掴みかかる。
セブンは応戦の末、生物兵器から攻撃を受けてステージからごろごろと転がり落ちる。
右端の岩をかすめてすごい勢いで転がり落ちるんだけど、その時の受け身が見事で毎回見惚れてた。
立ち尽くすタイガをセブンが諭す。
「すまんな、荒っぽいせがれで。だが、あいつの言うとおりだ」
「信念を胸に戦えば必ず道は開ける。悲しみを乗り越えろタイガ、ウルトラマンとして」
言葉を残し、生物兵器と奮戦する親子。
生物兵器にパンチを叩きこんだり突進に巻き込まれて跳ね飛ばされたり、目と鼻の先で繰り広げられる激戦の迫力がはんぱなかった。
力尽きたゼロとセブン退場。
ただ一人残され、奮闘するタイガ。
攻撃を受けて床に倒れたタイガに、目の前に座っているお客さんが必死でライト振って光エネルギーを送ったりしてめちゃくちゃ熱い。
「まだ俺は負けられない。父さんに託された想い――裏切ってたまるか!」
お姉さん《みんな、ウルトラマンって叫んで!》
会場《がんばれーー!!!》
真っ暗になる会場。
右手からセブン、左手からゼロとタロウが疾走してきて、エリア指定シートと一般観覧エリアの間の通路に登場する。
パッと照明が付き、戦士たちの姿が現れたときの驚きと感動といったら。
「父さん!」
タイガの信じられないような、嬉しさがあふれた声グッとくる。
中央に立つタロウの頼もしくてりりしい立ち姿。子供たちと触れ合ったり、イケメンポーズ決めたりするゼロの茶目っ気、歓声をあげるお客さんに重々しく頷くセブン。
タイガOPをBGMにタロウたちがステージまで駆け抜けるんだけど、風圧を感じるくらいド迫力。
会場に拳を突き出して走るセブンがかっこいい。
ステージに勢ぞろいし、セブン、ゼロ、タロウ、タイガの順にグッと姿勢おとして戦闘態勢に入るときの動きがBGMと合っててかっこよさにしびれた。
共闘してバルタンの生物兵器と戦うウルトラ戦士たち。
四方からつかみかかり、鋭いパンチや蹴りを叩きこむ。エリア指定シートで見てると、戦っている風圧やあせのしぶきが飛んできて大興奮の激闘だった。
タロウ「全力で打ち込むぞ。合体光線だ」
タイガ「化け物め。こいつで――とどめだ!!」
光線技を打つ直前、視線を交わしてお互いを鼓舞するようなセブンとゼロ親子が尊かった。
会期中前半ではセブンとゼロが会場に手を伸ばし、声援を求めるように手クイして客席アオリしてて、そのしぐさもアツかった。
バルタンの生物兵器は合体光線に射貫かれて倒れる。
それを見届けた戦士たちはゆっくりと客席の前にあゆみ、
『きらめく未来へDASH! SUPERNOVA!』
のメロディーと共に勝利の拳を突き出す。めちゃくちゃかっこいい。
万雷の拍手が上がる。
「ごめんなさい父さん」
「タイガ。立派だったぞ」
タロウに優しくねぎらわれて、泣き出してしまうタイガ。
タロウに抱き着いて胸に頭を埋める様子が幼くて、タイガは一人で気を張って戦っていたんだなとしみじみ感じた。
タロウが息子の頭を愛おしそうに撫でる仕草に胸が温かくなった。
そして「ははっ。まだまだがきんちょだな、あいつ」
抱き合う親子に近寄ってのぞき込んでからかうゼロ。
身体ぐいーっと曲げてのぞき込んでるときもあって、やじうま丸出しで笑ってしまった。
抱き合う親子を見ながら、こみ上げた涙を拭うセブン。親指でピッと涙拭うしぐさが渋かった。
ゼロが振り返ると、慌てて後ろを向いてごまかすセブン。
「って、なんで親父まで泣いてんだよ」
「ばかもん。これは、あれだ。感動したときに目から出る……水だ」
「それが涙じゃん」
ごまかしながらステージに上がって後ろを向くセブン。セブンを追っかけてツッコミ入れるゼロ。
アクロバットな言い訳するセブンに突っ込み入れるときの「涙じゃん」が「涙ジャン」みたいなイントネーションで、それがただセブンをからかってるんじゃなくて、
情に篤くて涙もろい父親をいとおしむような響きがあって、すごい好きだった。
ステージにお行儀悪く座って突っ込み入れるゼロに、こらって感じで詰め寄るセブンの図に和んだ。
お客さんの方を見ながら「なにいっちゃってんだろうなーウチの親父」みたいに首傾げる仕草してるのかわいかった。
上手からウルトラの父と母登場。
他の脱獄囚たちは各地のウルトラ戦士がすでに捕らえたと報告する父。
「みんな、よく頑張りましたね」とねぎらう母。
「すみません。僕がもっと冷静でいられれば」
うつむくタイガ。
大隊長の前では『僕』を使うタイガは本当に場を弁えた少年だ。
父「タイガ。後悔はよくないが、反省は必要だ。後悔は過去を変えたがる気持ち、反省は未来を変えたがる気持ち。輝く未来を見据えて歩め」
「ありがとうございます」
父の激励にお礼を言って、ステージに駆け上がるタイガ。
「俺はどんなことがあっても守り続ける。夢と希望と勇気と愛で満ち溢れた、この宇宙を」
力強く、晴れ晴れとした声で宣言するタイガ。
『新時代、最強の遺伝子をうけつぐ新たな戦士の戦いがはじまった――』
ナレーションと共に戦士たちがポーズを決め、終演。
父の『後悔は過去を変えたがる気持ち、反省は未来を変えたがる気持ち』がものすごく刺さる。
タイガの『夢と希望と勇気と愛』のフレーズがきらきらしてて大好きで、忘れられない。
★見終わったあとに家族の顔が見たくなるような、あったかいお話だった。
セリフ回しの言語センスがすごく好きだった。
タロウの「私がいなくなってもお前がいる。お前が私の生きた証だ」を初めて聞いたとき泣いてしまった。
タロウの家族に対する万感の思いが込められていて、その言葉通りタロウは家族を愛しているのに、宇宙平和のためにはあっさりと命を捨てる、骨の髄からウルトラ戦士なところが表れていて。
ウルトラ戦士たちも家族愛・普遍の愛を持っているのに、宇宙平和のためにはそれさえも投げ打つ覚悟をつねに携えている。
それをまざまざとみて、胸が苦しくなった。
各キャラクターの所作がすごく魅力的だった。
トレギアの、手をわきわきしたり口元を撫でたり、神経質そうに爪をいじっていたり見つめてたり、優美な手の動きが好きだった。
タロウの貴公子然としたきれいな立ち姿が好き。
セブンは重々しい演技と逞しい背中が魅力的で、ときどき血気盛んな仕草(手クイとか)するのが好きだった。
ゼロはエンターテイナーで、イケメンが映える角度を熟知してる。ボロ布のマントをまとって決めポーズするのかっこよすぎて卑怯。
タイガは苦悩する演技がすごくて、見てて苦しくなるほどだった。俯いてるときにぼとぼとと汗が落ちるときがあって、それが涙にみえて見入ってしまった。
何度見ても楽しくて熱狂して、見るたびにパワーアップする楽しすぎるショーだった。
制作者の皆様、最高のショーをありがとうございました。